
物語文学史上には、圧倒的な魔性を誇る最強の男の娘として、『風に紅葉』(14世紀初め頃)に出てくる女装の若君が君臨してるのですが、
登場時に「限りなく美しい小柄な女の子がいる(限りなううつくしげなる女のささやかなるぞゐたる)」(『中世王朝物語全集 15』笠間書院 35頁)と描写され即座に主人公を虜にしそのまま「稚児(男色の対象の少年)」(同書 37頁)としてエロ事に突入した、
この男の娘でさえも、その美貌は女性的女性美と完全に一致しているわけではないのです。
すなわち、
げによく見れば、男子がらと見ゆる顔つきなるも、……
(『中世王朝物語全集 15』笠間書院 38頁)
<訳>
なるほど、よく見れば男性的と見える顔つきであるのも、……
ところで、こういった男の娘の美は、女性の女性美とは異なり、しかし女性として装いを凝らしているのですから、通常の男性内女性美とも異なるはずです。つまり、それは第三の女性美と言って良いはずなのです。
そして、男性の持つ美が女性の持つ美と比べて優っているということですから、
それは女性的女性美を超えた男性内女性美をその真価を発揮するよう女性的に装飾したものなわけで、
つまりは人類の持つ最高の女性美ということになるはずです。
そうです、
すなわち、
こんな可愛い子が女の子のはずがない
現代日本のオタク文化では、男の娘キャラの可愛さに対して、
こんな可愛い子が女の子のはずがないと言って讃えるのですが、
こんな可愛い子が女の子のはずがないは、日本キャラクター文化の千年にも及ぶ伝統だったんだよ!!